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レアル主将カシージャス、去る時は裏門から――。決別選んだペレス会長、守護神との間に生まれた軋轢

text by 山本美智子 photo by Getty Images , Rafa Huerta

偉大なるキャプテンは新天地ポルトガルへ

 今回のFCポルトへの移籍にしても、パリ・サンジェルマンやマンチェスター・ユナイテッド、ローマといったチャンピオンズリーグで当たる可能性のあるクラブチームのオファーは、フロレンティーノ・ペレス会長が移籍先として承知しなかったため、限られた可能性の中での決断となったと言われている。

 交渉に必要以上に時間がかかったのも、移籍金にまつわる税金をどちらが支払うかでギリギリまで揉め、一刻も早くカシージャスを放出したいクラブ側が、最終的に税金を支払うことで両クラブ移籍の合意と相成ったと地元では報道されている。

 どんなことがあっても、行った先で常に「アラ・マドリー! と叫ぶ」と最後の記者会見でも誓ったイケル・カシージャスのFCポルトとの契約は2年、年間30試合出場という条件をこなした場合、3年目のオプションがつくといったものだ。

 彼の貢献度を思えば、Q&Aも許されない今回のお別れは余りにも悲しいものだったが、まだ引退まで時間のあるカシージャスが、最後に再び一花咲かせてくれることを祈ってやまない。

 マドリディズムが、彼を忘れることはない。去り行く偉大なキャプテンは、25年ぶりにユニフォームを変え、新天地を目指すことになる。

【了】

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