“修理屋”の異名を持つチーム再建請負人
ユベントスでは“カルチョーポリ”の影響でセリエB降格を余儀なくされた後、1部復帰を果たしたシーズンを任され、ローマではルチアーノ・スパレッティ監督の電撃辞任を受けての引継ぎ、そしてインテルではジャンピエロ・ガスペリーニによって壊されたチームの再建を任された。これらの仕事ぶりから現地メディアによってつけられたあだ名は“アッジュスタトーレ”。日本語に直すと「修理屋」という意味になる。
一方でチームを去る場合は契約満了でなく「解任」という形が多い事実もある。名門を再建させる手腕は高く評価されているが、継続的に成長させる力に乏しいとも見ることができ、長いキャリアの割に獲得タイトル数が少ない。実際に指導者としての実績は十分ながら、2004年のバレンシアでのUEFAスーパーカップ獲得以来メジャータイトルからは遠ざかっている。
昨年まで務めたギリシャ代表では結果を残せず途中解任に終わったが、世代交代の過渡期にあるチームは後任監督の下でも低迷を続けており、ラニエリ監督の責任は小さい。経験豊富な新監督は、ナイジェル・ピアソン監督の電撃解任に揺れるレスターでも“修理屋”の力を存分に発揮し、開幕までの残された時間でチームをしっかりと立て直せるだろうか。
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