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無制限の予算を誇るPSG、FFP緩和でメルカートの主役へ。強欲会長が描く壮大プロジェクト

text by 小川由紀子 photo by Getty Images

今夏のメルカート、最大の狙いはディ・マリア

無制限の予算を誇るPSG、FFP緩和でメルカートの主役へ。強欲会長が描く壮大プロジェクト
PSGが獲得を狙うマンチェスター・ユナイテッドのアンヘル・ディ・マリア【写真:Getty Images】

 7月3日、UEFAからの正式発表を受けてPSGのアル・ケライフィ会長は、「チームの戦闘力をより強化するべく、メルカートでは目一杯活発に動く」と力強く宣言した。マーケティング会社も、この夏のPSGの支出は1億~1億5000万ユーロ(約136億円~204億円)にものぼるだろうと試算している。

 さっそく、昨夏は移籍金キャップがあったためにトゥールーズからレンタル扱いとなっていたコートジボワール代表の右SBオーリエと1100万ユーロ(約15億円)で本契約。続いてブンデスリーガのフランクフルトから、25歳の若手GKケビン・トラップを1000万ユーロ(約13億6000万円)で獲得した。

 そして現在、彼らのナンバー1ターゲットは以前から獲得リストに挙がっていたユナイテッド所属のアルゼンチン代表MFアンヘル・ディ・マリアだ。

 彼は昨夏、プレミアリーグ史上最高額の5970万ポンド(約7500万ユーロ、約103億5000万円)でユナイテッド入りし、カントナ、ベッカム、ロナウドらが背負った栄光の背番号『7』を手にした。しかし、実際はPSGが先に接触し、本人、エージェントらとも合意に達していたものの移籍金キャップに阻まれて断念したという経緯があった。

 しかし、CLを良く知るトッププレイヤーで、左サイドでプレーできるサイドアタッカー、というPSGが求める条件にぴったり合っているディ・マリアとは、その後もコンタクトを取り続けてチャンスを伺っていた。

 当の本人も、昨季は自ら「イングランドのスタイルに馴染むのに時間がかかっている」と評したように満足がいくようなパフォーマンスを発揮できず、ルイス・ファン・ハール監督との不仲説や、家族がマンチェスターでの暮らしに馴染んでいない、という周辺ネタも手伝って移籍の可能性は信憑性が高まっている。

 ユナイテッドとの契約は残り4年。昨夏投じた7500万ユーロも回収したいところだろうが、予算に制限がなくなった今、PSGに金銭的な問題は皆無といっていい。

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