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無制限の予算を誇るPSG、FFP緩和でメルカートの主役へ。強欲会長が描く壮大プロジェクト

フランス王者のパリ・サンジェルマンは、欧州の中でも屈指の資金力を誇るクラブだ。これまではUEFAが定めるファイナンシャナルフェアプレーによって移籍市場での動きは制限されていた。しかし、今夏から規定が緩和されたことで移籍市場で一躍主役に躍り出る可能性もあるようだ。現地在住記者が追った。

text by 小川由紀子 photo by Getty Images

FFP緩和のPSG、まずはイブラを放出?

無制限の予算を誇るPSG、FFP緩和でメルカートの主役へ。強欲会長が描く壮大プロジェクト
PSGからの移籍が噂されるズラタン・イブラヒモビッチ【写真:Getty Images】

 6月22日、いの一番に始動したマルセイユを皮切りにリーグ1の各クラブともプレシーズンの調整に入った。

 リーグ戦が終了して1週間後にフランス杯決勝戦を戦ったため、7月6日と遅れてスタートを切ったパリ・サンジェルマン(PSG)も、オーストリア合宿のあと15日からは北米ツアーに出発する。現地では、ベンフィカ、フィオレンティーナ、チェルシー、マンチェスター・ユナイテッド等と親善試合を行なう予定だ。

 ブラジル、アルゼンチン、ウルグアイと、コパ・アメリカに出場した南米人選手を多く抱えるPSGだけに、初日から参加した主力組はモッタ、マクスウェル、オーリエ、ディーニュらのみ。

 渦中のあの人、ズラタン・イブラヒモビッチの姿もない。マテュイディ、ヴェッラッティら、6月のユーロ予選に出場していた代表組は長めの休暇をもらい、アメリカツアーから参加する予定だ。

 がしかし、アメリカでもイブラの姿は拝めないかもしれない。それどころか、来るシーズン彼がPSGのメンバーではなくなっている可能性も十分にある。

 その引き金となったのは、7月1日のUEFA会議でファイナンシャナルフェアプレー(FFP)違反について見直しが行なわれ、PSGやマンチェスター・シティに昨シーズン課せられていたメルカート(移籍市場)での予算の上限や、チャンピオンズリーグ(CL)出場メンバーを25人から21人に削減、といった罰則が撤回されることになったことだ。

 これにより、今季は「あくまでも収支の帳尻を合わせる」という条件のもとであれば、制限なくメルカートで資金を使えることになった。これで、彼らの補強戦略はロケット噴射のごとく加速するのは必至だ。

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