セルビアサポーターを鎮圧する警官隊【写真:Getty Images】
スポーツ仲裁裁判所(CAS/TAS)は10日、2014年10月14日に行われたEURO2016予選グループのセルビア対アルバニアの没収試合で、「アルバニアが3-0で勝利」の判決を下した。
この試合では、大アルバニア主義を掲げた小型無人飛行機が競技場内を飛行したことがきっかけとなり、選手とファンが入り混じっての乱闘が発生。主審は両国選手を0-0のままベンチに戻し、最終的に続行不可能と見て、試合を打ち切った。
UEFA管理・倫理・規律委員会は同月23日、この試合を没収試合(3-0でセルビアの勝利)とし、アルバニアサッカー連盟(FAA)に対し10万ユーロ(約1300万円)の罰金を科した。一方、セルビアサッカー協会(FAS )に対しては、10万ユーロの罰金に加え、勝ち点3を剥奪、UEFA主催大会のホームゲーム2試合を無観客で行うよう命じられていた。
その後、FAAとFASから異議を申し立てられていたCASは、セルビア側のサポーターが発煙筒を何度も投げ込み、ピッチに侵入してアルバニアの選手に暴力を働いていたことから、この試合を3-0でアルバニアの勝利と判定。また、FAAとFASに科された10万ユーロの罰金は妥当とした。
今回の処分によって、アルバニアは3勝1分けの勝ち点10となり、グループ首位のポルトガルと勝ち点2差、2位デンマークとは勝ち点で並ぶこととなった。一方、セルビアは1分4敗の勝ち点−2で最下位となり、残り3試合でデンマークとアルバニアの勝ち点に追いつくことができなくなったため、EURO本戦出場プレーオフ圏内の3位以内に入れる可能性はなくなった。
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