日本人になることを望んだ茂怜羅オズ
日本代表の茂怜羅(モレイラ)オズ【写真:Getty Images】
改善するひとつの方法として、なでしこジャパンの人気が明確に上がった理由はピッチ上で成功したことにある。ビーチサッカー日本代表は、2013年にタヒチで行われた前回大会の準々決勝で惜しくもブラジルに敗れた。メンデス体制で迎える今大会は、より優れた成績を収めることを目指している。
「現在の我々はベスト4入りを期待できるレベルにおり、何か大きなことが成し遂げられると思う。しかし、選手たちの耳には入れたくないため、極端に目標を掲げることはしない」
メンデス監督は余計な重圧からチームを守ろうとしているが、選手たちは自分たちに上位進出の可能性があることを理解している。
「期待されることはとても嬉しいし、それに応える自信はある」とスター選手の茂怜羅オズは話す。
「技術レベルは高く、近い距離でプレーするときには非常に力を発揮できる。選手間の位置が離れてしまうと少し苦戦するが、2、3選手が近くにいる場面では多くのゴールチャンスを生み出すことができる」
「まずはポルトガルとのグループステージ初戦に集中する。もし勝利できれば、自分たちにとって良い方向に大会が進んでいく」
ポルトガルとオズの生まれ故郷であるブラジルの両国は、29歳の彼をメンバーに選出しようとした。しかし、親日家の彼は、代表になりたいと考えた国はひとつしかないことを悟っていた。
「私は日本人」と話すオズは日本代表になることに少しの迷いも持たなかった。「万が一ブラジルのユニフォームを着たとしても、私にとっては何の意味も持たない。私は日本人になりたかったし、日本代表としてW杯を戦いたかった」
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