「“岐阜の漫画”として愛していただけることはとっても嬉しい」
――何か強く影響を受けた映画作品があったりするんでしょうか?
「影響というか、一番最近の推しは『西遊記』ですね(『西遊記~はじまりのはじまり~』2013年公開 チャウ・シンチー監督作品)。最近DVDになりました。観ていると気が引き締まるんです。
というのは、細かいところまで演出とかのこだわりがすごいんですよ。とても漫画的な映画だと思うんですけど、キャラクター一人ひとりのつくり込みがしっかりしていて、みんなキャラが立っているんです。
衣裳も凝っていますし、テンポもよくて、エンターテインメントを細かく演出している感じが伝わってきます。漫画を描いていて疲れてきたりなんかするとどうしても登場人物の気持ちが動いていなかったりコマ割りにメリハリがなくなったり、ダルっとしたストーリーになっちゃったりしがちなんですけど、その映画を観ると気持ちが引き締まるんですよね。
『チャウ・シンチーはこんなにも演出を頑張っている。こんなにもストーリーにカタルシスをもたせている。この映画を見習わなければ』って」
――そうなんですか。それじゃ私も観てみます。ところで大今さんご自身はこれまでサッカーとの接点は何かありますか?
「私自身はないんですが、兄がサッカーをやっていました。今回FC岐阜さんからお話をいただいたとき、一番驚いていたのが兄でしたね。『マジかよ!』って(笑)」
――今回はFC岐阜という、大今さんの地元のJクラブとのコラボになるわけですが、それについては何か思われることはありますか?
「『聲の形』を“岐阜の漫画”として愛していただけることはとっても嬉しいです」
――大今さんは大垣のご出身で、作品にも大垣市内の風景があちこちに出てきますものね。12日のコラボ当日にはそういった原画と実際の大垣の写真なんかを並べた展示もあるようですけれど、大今さんはこれまでにJリーグの試合をご覧になられたことはないということで私からひとつお願いがあります。
サッカーそのものを楽しまれることはもちろんなんですが、ぜひスタンドにいるサポーターと呼ばれている人たちのことも見てください。試合前にはサイン会もやられるようですし、そこでもサポーターとのちょっとしたふれあいがあるでしょうから、ぜひサポーターの人たちの熱を感じとってもらいたいと思います。
「楽しみですね。まったく未知の世界なので」