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【独占インタビュー】作者・大今良時氏に聞く。FC岐阜とコラボ、異色の作品『聲の形』はどのように生まれたのか?

「“間違っている主人公”を描いてみたい」

――この作品の大部分は主人公・石田将也の目から見た世界を切り取ったものですけど、主人公を女の子である硝子ではなく、男の子の将也にしたというのはなぜなんでしょう?

「硝子を主人公にするとたぶんつまらないんじゃないかなぁと思って。“間違っている主人公”を描いてみたいという欲望がありまして……」

――間違っている主人公?

「はい。決して正解じゃない主人公というか、正しいことばかりはしない主人公を描きたいという欲望があって、ああいう主人公にしました」

――(小見山さんに)すみません、『週刊少年マガジン』の読者層というのはだいたいどの辺になりますか?

(小見山さん)「一応16歳から18歳までということで高校生が中心ですが、実際にはもっと幅広い層に読んでいただいています」

――なるほど。私は『聲の形』を読みながら「これは子供にわかるんだろうか、それとも子供だからこそわかるんだろうか」と思ったりしながら読みました。ところで連載では高校生になってからの主人公・将也の贖罪の話を描いています。それはずっと大今さんの頭にあったものなんでしょうか?

「『聲の形』連載の前に『マルドゥック・スクランブル』という作品を描かせてもらったんです」

――冲方丁(うぶかた・とう)さんの小説が原作ですね。

「はい。その『マルドゥック・スクランブル』を描いているときのことなんですけど、新人賞に応募した『聲の形』の最初の読み切りが『別冊少年マガジン』に載せてもらえることになったんです。

 それで次回作はどうするかという話になり、もし読み切りで人気が出たら『聲の形』を自分の中で育てよう、人気が取れなかったら別のものを育てようと思っていて、結果的に人気が取れたので『マルドゥック・スクランブル』を描きながらこの子たち(『聲の形』の登場人物)を育てていきました。まだ連載なんて決まっていないのに、そのときから勝手に資料とかを集めていました(笑)」

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