A代表の戦いぶりに疑問の声を投げかけるOBたち
実際、いまのA代表に疑問を投げかける声も少なくない。現役時代にセルティックやバルセロナで活躍したヘンリク・ラーション氏は2年前、地元メディアの取材に対して「フル代表は劇的に変わった。理由は、ハムレーン監督が前任者のラーゲルベックと違ってプレーの主導権を握るサッカーをしたいからだ」と指摘。
ラーション氏はEURO2012予選のオランダ戦2試合を例に挙げ、「敵地での1戦目ではスウェーデンはオランダのようにプレーしようとしたが、相手のほうが上だった(結果は1-4で完敗)。
オランダ人は子どものころから試合の主導権を握るサッカーとともに育っている。でもスウェーデンはそうじゃない。われわれは手堅くプレーすることに慣れているんだよ。ロースンダ・スタディオンで行われた本拠地での2試合目では、スウェーデンはよりタイトな守備を敷いて成功した(3-2で勝利)。2試合目での代表チームはラーゲルベックのようなスタイルだったよね」
そしてほかならぬ、今回のU-21代表を率いたホーカン・エリクソン監督自身も古き良きスウェーデンらしさを生かすべきだという哲学を持っている。
もっともエリクソン監督によると、現在のフル代表にかつての特長が見られないのはハムレーン監督のせいではなく、スウェーデンサッカー全体の問題だという。同国最大のサッカー誌『Offside』最新号でエリクソン監督はこう述べている。
「ここ10年から15年のあいだ、スウェーデンでは優れた技術を持った個々を育てることに焦点が当てられている。もちろん、そういった選手を輩出することには成功した。だが一方で大事なことが忘れ去れてしまっている。つまり、サッカーは何よりもまずチームプレーだということ。優れたチームになるには、個々のスキルよりもチームプレーが要求されるんだ」