ロイスとゴールを喜ぶ香川【写真:ダン・オロウィッツ】
【川崎フロンターレ 0-6 ドルトムント 親善試合】
香川真司と丸岡満が所属するドルトムントが来日し、7日に川崎フロンターレと親善試合を行った。
週末にリーグ戦を控えるホームの川崎は本気のメンバー構成。負傷明けの中村はスタメンを外れたが、大久保やレナトらが先発出場を果たした。
対するドルトムントは新戦力を多くスタメン起用した。GKに新守護神候補ビュルキ、中盤でヴァイグルとカストロが先発のチャンスを掴む。そしてDFは右からピシュチェク、スボティッチ、パパスタソプーロス、ドゥルム、中盤で丸岡と香川が先発し、右サイドにレンタルから復帰したホフマン、そして最前線にロイスが入った。
試合はいきなり動く。5分、右サイドを駆け上がってきたピシュチェクが速いクロスを上げると、中央で香川がヘディングシュートを放ち、ドルトムントが先制する。前日会見で「この試合から監督へのアピール」と意気込んでいた香川にとって最高のスタートとなった。
反撃したい川崎Fだが、レナトや船山の飛び出しはドルトムント守備陣の巧みなラインコントロールを破れず、ことごとくオフサイドの網にかかってしまう。
ドルトムントはコンディションが整っていない中でもうまくペースを調節しながら川Fゴールに再三迫り、多くのチャンスを作っていく。左右の広さをうまく使いながら、サイドバックのオーバーラップも織り交ぜて川崎Fの守備陣を剥がし、スペースを作り出す攻撃はさすがのクオリティだ。
そして36分、船山のクリアをスボティッチがスライディングでカットし、こぼれ球を拾ったロイスがドリブルで仕掛けてエリア内に侵入し、やさしいラストパス。そこに香川が詰めてドルトムントが追加点を手にした。
プレシーズンということもあり、ドルトムントは後半開始から丸岡以外の10人を交代させる。これによりフンメルス、ギュンドアン、ベンダー、シュメルツァー、オーバメヤン、ムヒタリアンらがピッチに立った。
一方の川崎Fは中村、小林、そしてボーフムから復帰したばかりの田坂が後半から交代出場した。
一矢報いたい川崎Fは中村が違いを見せる。51分に同じく途中出場の田坂にピンポイントFKを送ってチャンスを演出するなど、円熟のプレーを披露した。
しかし、それでもドルトムントは違いを見せつける。53分、ギュンドアンが中央を持ち上がってラストパスを送ると、オーバメヤンが角度のないところからGK新井をあざ笑うかのようなループシュートで3点目を挙げた。
さらに畳みかけるドルトムントは57分、シュメルツァーの低いクロスにオーバメヤンが飛び込み4点目。昨季リーグ戦16得点のガボン代表FWが今季も爆発の予兆を感じさせた。
そして前半から引き続き出場している丸岡にもゴールが生まれる。オーバメヤンのキープからムヒタリアンが浮き球でスルーパスを送る。そこに長い距離を走って丸岡が飛び出し、GKとの1対1を制してプレシーズン3試合連続となるゴールを挙げた。
その後は試合を完全に掌握してスピードの上げ下げを自在にコントロールしながら、手数をかけない効果的な攻撃で川崎Fゴールに迫るドルトムント。80分にはディフェンスラインの裏へ飛び出したオーバメヤンがゴールをスタンコビッチに譲り0-6。今季から2番を着ける19歳のスタンコビッチは、CBながら前線まで駆け上がって結果を残した。
最終盤の89分にはチーム内での立場が微妙になっているGKヴァイデンフェラーが小林の決定機に身体を張って立ちはだかり、得点を許さず。ドルトムントは6得点を挙げただけでなく、しっかりと無失点で締めくくった。
終盤は多くの選手を投入した川崎Fだが、唯一の収穫は負傷離脱してした角田や實藤、山越といった選手たちが戦列復帰を果たしたことだ。ドルトムントには大敗したが、今週末に開幕するJ1の2ndステージに向けて戦力は整いつつある。
川崎Fを圧倒して勝利を収めたドルトムントは明日日本を発ち、9日にマレーシアで親善試合を戦うため、経由地のシンガポールへ向かう。
【得点者】
5分 0-1 香川真司(ドルトムント)
36分 0-2 香川真司(ドルトムント)
53分 0-3 オーバメヤン(ドルトムント)
57分 0-4 オーバメヤン(ドルトムント)
59分 0-5 丸岡満(ドルトムント)
80分 0-6 スタンコビッチ(ドルトムント)
【了】