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日本代表 9年前

なでしこのキープレーヤー大儀見優季が語る、中学時代に2度の怪我を乗り越えて得たもの

text by 大儀見優季 photo by Getty Images

「あの時の感謝の気持ちは今でも忘れない」

 前回のものに比べて、怪我をした瞬間に、自分でも事の重大さがわかった。こらえきれず、その場で大泣きした。

「またか……。なんで……」

 本当に痛くて、歩けなかった。

「右前十字靱帯断裂」

 診察結果は、前回よりも悪かった。中学3年生の冬で、高校受験も控えていたため、学校へは松葉杖をついて通い、卒業式が終わって春休みになってから手術をすることに決まった。

 またみんなに迷惑をかけてしまうな……というのが最初の感情だった。そして、1回目に手術した際に、その費用が高額であることもわかっていたから、またお金がかかってしまうだろうし、家族には申し訳ない思いでいっぱいだった。

 そして、しばらくサッカーができないこともわかっていながら、トップチームの宮村正志監督が、「怪我はあっても、ちゃんと登録はする」と断言してくれていた。

「怪我をしたことは関係なく、評価をしてくれているんだ」
「私の成長を見守ってくれていて、育てようとしてくれているんだ」

 怪我をしたことへのショック以上に、感謝の気持ちが強かった。私が知らないところで、見えないところで、周りの大人たちが自分のためにいろいろと動いてくれていることを感じることもできた。

 おそらく7ヶ月は動けないであろう私を、ちゃんとトップチームに登録してくれたことへの感謝は今でも忘れない。

 そこから復帰するまでは、およそ10ヶ月かかった。高校1年生の10月、日本女子代表合宿に呼ばれる少し前に、再びピッチに立つことができたのだ。

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