“鬼軍曹”のもと始まる競争
冒頭に引用した発言からもわかるように、再建にあたってベルルスコーニは昨シーズンのサッカーの否定から入っている。今シーズンのポジション争いにあたっては、完全に新たな挑戦となる。本来のトップ下でジャコモ・ボナベントゥーラとのポジション争いに挑むか、はたまたコンバートか。
会見ではベルルスコーニ会長が「エル・シャラウィはインサードハーフ」などとぶち上げていたが、ミハイロビッチ監督は選手のコンバートを柔軟にやる指導者だ。カターニア時代は、セカンドトップだったアドリアン・リッキューティにコンバートを命じた。
「やったことないですよ」と本人が難色を示すと、「これで出てくれなければお前にポジションは用意できない」。それが当たり、リッキューティは最下位から急浮上を果たす躍進の原動力となった。
口さがない地元記者の一人は「本田は移籍したほうがいい。出るポジションないだろ」と言っていた。ただ「なんとか一年間レギュラーをキープ出来ましたけど、来年から本当の意味でもレギュラー争いが始まるんじゃないかなと思っています」と語っていた本人が、ポジション争いから逃げるとも考えられない。
果たして、プレシーズンでの鬼軍曹ミハイロビッチからの評価を勝ち取ることは出来るか。
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