本田残留を明言したベルルスコーニ会長
気になる布陣だが、「所属するFWの質を考えれば2トップからスタートすることが妥当」と語っている。もともと好みのシステムに選手を当てはめようとするタイプではない。「ベルルスコーニの意向」と噂される4-3-1-2からスタートし、選手にあったシステムを模索するものと予想される。
3日の午後に行われた初練習では、ワンタッチでのパス回しを意識させていた。「選手は相当走らされることになるはず。ミランにやっとチームプレーが根付くかもしれない。いい傾向だ」と練習を見学した年配の地元ファンは語っていた。守備面での規律も厳しい監督のもと、そういった戦術上の要求に応え、かつ結果を出せる選手たちが生き残っていくことになるのだろう。
さて本田圭佑についてだが、試合後の囲み取材でベルルスコーニ会長はこう語っている(会見後にも取材対応したのは会長のみだった)。
「このミランの中でもポジションは見つかると思う。我々は彼を“フォーリクラッセ”(規格外の選手)と考えているが、正しくスペースを用意すれば力を発揮してくれるはずだ。構想に入っている? 当然だ」
言葉の上では“残留明言”なのだが、注意すべき2つの意味が隠れているようにも思える。「正しくスペースを用意すれば」とあったが、昨シーズンまでの右サイド起用を快く思っていなかったということと(ベルルスコーニが本田の起用法に疑問を示しているという噂はこれまでもあった)、本田が右サイドとして出した実績を首脳陣は評価していない可能性があるということだ。
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