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岡崎移籍を容認したマインツの経営スタイル。地方クラブを支える“トップセールスマン”の存在

text by 本田千尋 photo by Getty Images

問題は岡崎が抜けた攻撃陣

 しかし同時に「重要で頼もしい戦力だった」岡崎の後釜をどうするのか、という問題が残ることにもなった。

 岡崎はブンデスリーガで2年連続二桁得点と目に見える数字を残しただけでなく、1トップを軸とするマインツの戦術において、前線で体を張れるアタッカーとして重要な役割を果たした。献身性と戦術眼を併せ持ち、かつ結果も残すというFWはなかなか見ることが出来ない。だからこそ昨年の夏から続いたレスターからのオファーに対して、ハイデルGMも簡単に首を縦に振らなかったと言えるだろう。

 その意味で15/16シーズンは、マインツにとって残留を主な目的とする耐える1年となるかもしれない。得点源を欠くだけでなく、岡崎の存在はチーム全体に影響を及ばしていたからだ。

 現時点でCFのポジションには、レンタルを終えて戻って来たセバスチャン・ポルター、ダニ・シャヒンの両選手がいるが、岡崎のようなパフォーマンスを望むのは難しい。

 シュミット監督は移籍市場に対して「目は開いたままでいる」と述べ、まだ新しい選手を探しているようだ。それでいて即戦力の獲得は視野に入っていない。6月29日の記者会見でハイデルGMは、クラブの「転売型」というスタイルを変えるつもりはないことを述べている。

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