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岡崎移籍を容認したマインツの経営スタイル。地方クラブを支える“トップセールスマン”の存在

text by 本田千尋 photo by Getty Images

地方クラブを支える「トップセールスマン」

岡崎移籍を容認したマインツの経営スタイル。地方クラブを支える“トップセールスマン”の存在
マインツのクリスティアン・ハイデルGM【写真:Getty Images】

 そんな人口約20万人の地方都市のクラブを支えているのが、ハイデルGMだ。元カーディーラーの肩書きを持つハイデルGMは、有望な選手を安く仕入れてクラブで成長させ、高く売ることでクラブの経営を支えてきた。10/11シーズンには、スペイン2部レアル・マドリー・カスティージャからアダム・サライを60万ユーロ(約6600万円)で購入し、3年後の13/14シーズンには800万ユーロ(約10億4000万円)でシャルケに売却している。

 11/12シーズンに2部グロイターフュルトから180万ユーロ(約1億9800万円)で獲得したニコライ・ミュラーは、14/15シーズンには450万ユーロ(約6億1650万円)でハンブルガーSVに放出した。

 ミュラーの売却に成功したハイデルGMのことを、14年8月6日付の『フランクフルター・アルゲマイネ』電子版は「ブンデスリーガのトップ・セールスマン」と評している。下部組織から巣立ち、現在はヴォルフスブルクに所属するドイツ代表FWアンドレ・シュールレのような選手もいるが、マインツは「育成型」というよりは「転売型」のクラブと言える。

 つまり今回の岡崎のレスターへの移籍は、ハイデルGMの「トップ・セールスマン」としての経歴に大きな花を添えたことになるのだ。13/14シーズンにシュトゥットガルトから150万ユーロ(約1億9500万円)で獲得した岡崎は、2年の時を経て1100万ユーロ(約15億円)の額でイングランドに雄飛した。

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