「ロシア大会を逃す」。悲観的なメディアも
昨年のブラジル全国選手権の得点ランクを見ても1位こそ18点のフレッジだが、上位7傑にはペルー代表のゲレーロ(当時コリンチャンス)やボリビア代表のモレーノ(当時クルゼイロ)、元アルゼンチン代表のバルコス(当時グレミオ)ら国外のフィニッシャーが名を連ねる。ドゥンガ体制では不動の9番だったジエゴ・タルデリは辛うじて8番目に食い込んで来る程度なのである。
コパ・アメリカの敗退によって、ブラジルは2017年に行われるコンフェデレーションズカップにその名を連ねることはない。1997年以来、7大会全てに出場して来たセレソンだったが、気の早いブラジルメディアの一部は「ブラジルは2018年大会の出場権を逃す深刻な危機に立たされている」と煽り始めている。
ロシア大会における南米の枠は4.5。アルゼンチンとウルグアイ、コロンビア、チリといった強豪に加えて、ラモン・ディアスの就任で復調の兆しを見せ始めたパラグアイや、高地のアドバンテージを持つエクアドルなど難敵はズラリ。
前回大会に次いで準々決勝で敗退したブラジル代表だが、ブラジルサッカー連盟はドゥンガ監督の続投を表明。10月から始まる南米予選に向けて、引き続き闘将に指揮を執らせる考えだがコパ・アメリカで出場停止を消化しきれなかったエース、ネイマールを予選開始から2試合で欠く事になる。
「南米予選に向けて最高の教訓になった」とコパ・アメリカを振り返ったドゥンガだが、王国の再建はあまりにも険しい道のりになりそうだ。
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