未だ解決できない過度の「ネイマール依存」
コパ・アメリカの大会中も、ブラジル全国選手権を開催し続けているブラジル。準々決勝で敗れ去ったコパ・アメリカの結果は、最大のスポーツ紙『ランセ』の一面で小さな見出しになったのみで、昨年のW杯ブラジル大会のドイツ戦後のようなセンセーショナルな扱いではなかった。
「E vexame nao tem fim(そして、屈辱は終わらない)」。シンプルな見出しにあったのは未だブラジルが史上最悪の屈辱を喫した1対7のドイツ戦を引きずっているということだ。
ジーコやロナウドら多くのOBが疑問視したドゥンガの再登板から約一年。ミネイロンの惨劇から再起を図って来たはずのブラジルが4試合で突き付けられたのは、ブラジルサッカー界が抱えるタレント不足という現実だった。
昨年9月の就任初戦以来、コパ・アメリカまでは親善試合で10連勝。キャプテンを託されたネイマールを旗頭に順調なチーム作りを見せて来たかに見えるドゥンガだが、前任の指揮官たちも悩まされて来た問題は、道筋をつけきれずにいた。
それはポルトガル語でネイマール頼みを意味する「ネイマールデペンデンシア」である。
コパ・アメリカのグループリーグ初戦、ペルー戦では先制された直後にヘディングシュートを叩き込んだネイマールにとって、代表通算44ゴール目。セレソンでも歴代5番目の得点数で、4位のジーコにわずか4差で迫るハイペースで得点を重ねているものの、現在のブラジルのアタッカーで真のワールドクラスと呼べるのはネイマールのみ。
グループリーグの3試合目で早くも出場停止のエースを欠いたとは言え、今大会のブラジルはペルーとベネズエラに勝利したのみ。4試合で奪った得点は計5点にとどまった。