アーセナルへの移籍が決定したGKペトル・チェフ【写真:Getty Images】
アーセナルは現地時間29日、チェルシーからチェコ代表GKペトル・チェフを獲得したことを発表した。
33歳のチェフは2004年7月にレンヌから700万ポンド(当時レートで約14億円)でチェルシーに移籍。移籍初年度からプレミアリーグの連続無失点記録を打ち立てた。
これまでにプレミアリーグ4回、FAカップ4回、チャンピオンズリーグとヨーロッパリーグなど様々なタイトルを獲得し、チェルシーの歴史上最も成功を収めたGKのひとりとなった。
過去11シーズンに渡って“ブルーズ”(チェルシーの愛称)のゴールマウスを守り続けてきたチェフだったが、昨季はアトレティコ・マドリーからのレンタル移籍から復帰したティボー・クルトワに正GKの座を譲ってしまい、リーグ戦7試合出場に留まっていた。
チェコ代表GKはトップチームで正GKとしてプレーすることを希望しており、英紙『テレグラフ』によれば移籍金は1100万ユーロ(約20億9000万円)とみられている。
チェフはアーセナルのオフィシャルサイトを通じ、「アーセナルに加わることを楽しみにしているよ。プレシーズンでプレーするのが待ちきれない。私はキャリアを始めた時とは変わらない献身性、モチベーション、ハングリー精神を持っている」と新天地での意気込みを述べている。
一方、チェフは発表と同時に11年間過ごしたチェルシーに対して感謝のメッセージを残している。
「この日が来るとは思わなかったが、チェルシーと別れる時が来た。2004年7月に入団してからいつもこのクラブのためにプレーしてきたし、いつかここで引退することを想像していた。しかし、人生は予想通りにはいかないものだ。
去年は状況が変わってしまい、もう正GKではないと分かったが、お別れする時ではないとも思った。シーズン中に状況が良くならないことに納得したし、現時点でベンチで過ごしたくなかった。だから、新しいチャレンジに挑むことを覚悟した」
アーセナルは同じロンドンの街を本拠地とするチェルシーに対し、“退屈”と揶揄するなどライバル関係にあった。
チェルシーからアーセナルへ移籍した選手は、1953年のビル・ディクソン、1966年のジョージ・グラハム、2006年のウィリアム・ギャラス、2007年のラサナ・ディアラ、2011年のヨッシ・ベナユン(レンタル移籍)。チェフは“ガナーズ”へ移籍する6人目の選手となった。
来季は12年ぶりとなるプレミアリーグ優勝を目指すアーセナル。経験豊富なチェフの加入でアーセン・ヴェンゲル監督のチームにリーグタイトルをもたらすことができるだろうか。
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