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恩師フィッカデンティが武藤との1年半を語る。「偉大な男。ファンは彼を愛していた」

text by 編集部 photo by Getty Images , Dan Orlowitz

「武藤は我々の“ライノ“だよ(笑)」

――武藤の性格をより理解できるような、面白いエピソードはありますか?

「彼は非常に真面目な男だ。他の選手たちと同様にね。しかし、武藤は非常に几帳面な性格なんだ。あまり取り乱すことはないから、面白おかしい話を見つけるのは難しいよ」

「それでも、一度こんなエピソードがあるよ。武藤は時々走るときに凄く頭の位置が低くなることがあるんだ。私とチームメイトは「ライノ(サイ)」と呼んでいたんだ(笑) 彼が真っ直ぐピッチを駆け上がるときを知っているかい? ただ、これはもちろん良き友達の間でのジョークだ。武藤がスピードに乗れば、彼は信じられないパワーをみせるんだ。私たちの“ライノ”だよ(笑)」

――今季あなたの武藤への愛情を示す印象的なシーンを一つ覚えています。試合の後、監督はベンチに座っている武藤の頭を掴み、キスをしましたね。まるで息子に接しているようでした。

「たしかに、武藤は実際に私の息子と同じ年代だね。彼は本当にいいやつだが、私は彼だけではなく全てのチームメイトとよい関係を築くことを望んでいるよ」

「我々の関係は明確で、常に全員に対して話しかけた。私は君たちのマネージャーだが、古典的な日本の“先生”ではない。冷め切った関係は好まないんだ。もちろん互いにリスペクトを持ちたいと思っているが、どちらも必要で、そして信頼から来るものだ。リスペクトと好意なしには相乗効果を作り出すこと、お互いを理解することは不可能だからね」

「武藤にキスをしたというイメージを持ってもらっても構わない。私はそのように選手と接するからね。しかし、それは彼だけではなく、全ての選手に対してだ。我々の間には信頼と連帯感があり、常に自分たちの役割が何かを考えているよ」

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