武藤嘉紀のFC東京退団セレモニーが行われた【写真:ダン・オロウィッツ】
今夏限りでドイツ・ブンデスリーガのマインツへと移籍する武藤嘉紀のFC東京退団セレモニーが27日の清水エスパルス戦後に行われた。
昨季プロ1年目で13得点を挙げ、今季も半シーズンで10得点。2年連続二けた得点を達成し、日本代表にも定着した東京のエースは、清水戦で得点こそならなかったものの、勝利をぐっと引き寄せる見事なアシストで退団に花を添えた。
セレモニーではサポーター代表、慶應義塾大学ソッカー部の須田芳正監督、そして両親から花束が行われ、ファンに向けてスピーチしている。
「泣かないと決めていたんですけど」と涙をぬぐいながら切り出した武藤は、最初に「今の僕があるのも支えてくださったファン、サポーターの方々をはじめ、両親、監督、チームスタッフ、僕に携わってくれたすべての方々のおかげだと思っています」と、感謝の言葉を口にした。
小学3年生でFC東京のスクールに入り、13年間愛したチームを離れる決断は大きなものだ。プロキャリア1年半で海外へと旅立つ選手には異例ともいえる規模のセレモニーで、武藤は「自分1人では何もできない僕を支えてくれたチームメイトだったり、今日もこのようなたくさんのサポーターに集まっていただき、自分は本当に恵まれていて、幸せだと改めて実感しました」と、率直な気持ちを語っている。
だが、日本で武藤のプレーを見られなくなるということはなく、ドイツで結果を残して日本代表に選ばれれば、日本国内でもその雄姿を何度も見られるだろう。武藤自身はFC東京にタイトルをもたらせなかったことを悔やんだが、「日本代表、そしてドイツでしっかり結果を出して恩を返していきたい」と決意を述べている。
「日本に帰ってきたら、ぜひまたFC東京に温かく迎えていただけると嬉しいです。本当に1年半幸せでした」と最後までクラブへの愛を強調し、将来の再会を誓った武藤。常に感謝の気持ちを忘れず、ドイツでの新たな挑戦に闘志を燃やしている。
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