アジア各国では幅広い国籍の選手が
アジアサッカー連盟に加盟する他の国を見てみよう。数年で一気に存在感を増したタイ・プレミアリーグは外国人枠4人+アジア枠1人の保有が許されている。今季登録されている83人の外国籍選手のうちブラジル人は最大派閥だが、わずか20人しかいない。他にイングランド、ドイツ、フランスといった欧州勢や、コートジボワールやガーナといった日本でほとんど見かけない国の選手たちも多い。
オーストラリアのAリーグは終わったばかりの昨季のデータを見ると、外国籍選手56人のうちブラジル人は3人だけだ。田中裕介と高萩洋次郎がウェスタン・シドニー・ワンダラーズでプレーしたことで日本での知名度は格段にアップしたが、プレーしている外国人の国籍は多様で、多くのヨーロッパ系に混じってアルゼンチン人やコスタリカ人、エクアドル人などもいる。
Jリーグは世界中の多くの国でテレビ放送が行われているものの、視聴者数はそこまで多くなく、まだヨーロッパなどでの知名度は低いと言わざるをえない。FC東京は外国人向けのチケット販売を始めるが、どれほどの効果が出るのかは未知数だ。
レ・コン・ビン(ベトナム)やイルファン(インドネシア)の到来で東南アジア向けのアピールは成功しており、Jリーグ国際部の努力は計り知れない。だが、これまで以上に国際的な競争力を高めていくためには、様々な国の選手たちがプレーし、多様性あふれる環境を作り上げることが必要になるのではないか。
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