Jリーグの外国人選手、半分以上がブラジル人
今年のJリーグもまもなく折り返し地点を迎えようとしている。明治安田生命J1リーグの1stステージは浦和レッズが制し、久々のタイトルを獲得した。その歓喜と同じ日、私は横浜F・マリノス対鹿島アントラーズの会場を訪れていた。
アウェイの地に乗り込んだ鹿島が勝利を収めた試合後、トニーニョ・セレーゾ監督が記者会見で発した言葉になんとなく引っかかるものがあった。
「チーム間の実力差があるといえば、私はないと思う。あるとすれば外国人の部分」
たしかにJリーグは毎年優勝チームが変わり、優勝候補が降格する年もある。競争力が高く、チームの実力が拮抗しているというのは事実だ。
では、トニーニョ・セレーゾ監督の言うように外国人選手が差を生み出しているのだろうか。そこで今年J1でプレーする外国人の数を調べてみる。夏の移籍市場に向けて退団する動きも出ているが、全61人(退団決定のカニーニとブルーノ・セザルを除く)のうち34人がブラジル国籍で、韓国籍あるいは北朝鮮国籍が17人いた。つまり8割以上がブラジル人または韓国人(あるいは北朝鮮人)なのだ。
これで「違い」が生まれるのだろうか。もちろんブラジル人の中にはアルビレックス新潟のコルテースやマリノスのアデミウソンのように世代別を含めた代表招集歴のある選手がいれば、オビナ(松本山雅FC)やレオ・シルバ(新潟)のようにトップレベルで実績のある選手もいる。
他の国の選手も、ズラタン(浦和レッズ)やノヴァコヴィッチ(名古屋グランパス)のようにW杯出場経験があったり、ウタカやヤコヴィッチ(共に清水エスパルス)のように母国の代表チームで活躍していた経験があったり、実力者はいる。
しかし、どうしても閉塞感と物足りなさを感じてしまう。90年代終盤のJリーグを思い出してほしい。ストイコビッチやペトロビッチ、ラウドルップ、ドゥンガ、サンパイオ、ストイチコフ、エムボマ、洪明甫……1998年フランスW杯に出場した選手たちが、大会前後にJリーグでプレーしていた。あの時代と比べて今のJリーグはどう変わっただろか。