「(ディフェンスとは)相手の攻撃を攻撃すること」
ただ、ハンドボールの場合、得点がサッカーの10~20倍入るスポーツで、シュートを打たせてしまったら得点される可能性がサッカーより高くなります。
なので、サッカーよりも攻撃側のシュートをいかに消せるかを考える割合が高いと思います。そういった違いはありますが、どちらとも守備の部分でも“個の力”が重要になってくることは間違いないのではないでしょうか。
──確かにシュートを打たせないとか、ボールを奪取する能力が高いのも“個の力”ですよね。しかし、現在の日本サッカー界の育成において、そういった守備の能力に関して多少軽視されている部分があると感じているのですが、ジュニア年代のサッカーでも守備戦術は教えたほうが良いと思いますか?
ハンドボールのディフェンスにおいて重要なのは、相手のシュートを消し、ボールを追い込んで奪うことです。そのためには、攻撃的なディフェンスラインをつくることであったり、自分の守るエリアを把握することや、一人ひとりが守るエリアを広くしていくことが必要です。
これらはサッカーやハンドボールなどのボールゲームにおいて、重要な要素でジュニア年代から鍛えるべき能力だと、僕は考えます。
育成年代から、ゴール前に人を集めるだけのディフェンス戦術を採用してしまっては、ディフェンスに必要な能力は育ちません。“ディフェンスの個の力”鍛えるのであれば、まず指導者が「ディフェンスとは何であるか」ということを語れることが重要ではないでしょうか。
「Attack the attack」。意味は「(ディフェンスとは)相手の攻撃を攻撃することである」です。この言葉は、ハンドボール界のディフェンスにおける哲学のひとつです。
結局、守備でも攻撃でも最終的な考え方は同じなんです。マイボールあってもそうでなくても相手に対して攻撃を仕掛けるという哲学がハンドボールにはあります。