ハンドボールにおける勝敗を分けるポイントはディフェンスの質にあり
──前回までハンドボールとサッカーの類似性についてお伺いしてきましたが、ハンドボールの試合において勝敗を分けるポイントはどこにありますか?
僕はゴールキーパーを含めたディフェンスの質にあると思っています。守備側がどれだけ攻撃側にシュートを狙わせないか、ということが勝敗に大きな影響を与えます。
なぜなら、ハンドボールはサッカーと違い、2、3回チームとして攻撃を行ってシュートまで達しなければ相手ボールからのリスタートになるというルール(※パッシブプレー)があるからです。
これはバスケットボールのルールに似ていると思うのですが、秒数でカッチリ決まっているわけではなく、主審のさじ加減で決まってしまいます。
こういったルールがあるので、基本的にはシュートを打たせないようにしながら守ることが大事になってきます。
それに加えて、シュートを打ってもボールを取られてしまいそうだな、という心理状態にさせながらインターセプトを狙うというのが通常の守備の狙いです。
──では、ハンドボールの場合、守備に比重を置くチームが多いということですか?
そうですね。基本的にハンドボールの場合、守備時は全員が自陣に戻り陣形を固めますからそういった見解は間違いではないと思います。
よくヨーロッパのサッカーにおいても守備的なチームを「ハンドボールチームのようだった」と揶揄する場合もありますしね。モウリーニョ(チェルシー監督)の“ゴール前にバスを停める”なんていうのはまさにハンドボールの守備のようですよね。
ただ、そういったスタイルが本当に守備的で、見ていてつまらないのか、と言ったらそうではないと思います。
サッカー界では、全選手のポジショニングが自陣にある状態を“守備的”と指している可能性があると僕は考えています。