■監督としての実績があるミハイロビッチ
インテルではマンチーニ監督のアシスタントコーチとして優勝に貢献。途中就任のカターニアでは最下位に沈んでいたチームを見事に立て直し、今季率いたサンプでは7位だ。
その順位自体は大したことないように思われるが、戦力は若手ばかりで、しかも前半戦は補強をほとんどしなかった状態。そんなチームを率いて、終盤は失速したが常に上位をキープし続けた。
そうなれば次に狙うのは、もう少し規模が大きく歴史的に格のあるクラブへのステップアップ。ミハイロビッチは5月末、「サンプへの恩義は果たした」と今シーズン限りの退団を発表。そして水面下でミランのガッリアーニ副会長が監督就任の打診をし、レアル・マドリーの監督を解任されたアンチェロッティ氏との交渉が物別れに終わったあとで合意と相成った。
以上の大筋は6月上旬には決まっていたものの、公式発表が2週間ほどずれ込んだのはインザーギ監督の処遇が決まらなかったからだ。クラブは手切れ金を支払っての契約解消を希望していたが、インザーギはこれを拒否。結局16年6月の契約を切ることなくクラブは解任の道を選び、セードルフに続いて年俸を払い続けることになった。
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