不安な先行きに独紙も厳しい評価
それでもセルビア代表の優勢は変わらない。トップ下のマイヤーに縦パスが入れば、カウシッチとブラザナッチのダブルボランチが厳しくチェックに行くなど、セルビア代表はタイトな守備を続けた。
ドイツ代表監督フルベシュは「彼らはとてもコンパクトで、我々はセカンドボールをコントロール出来なかった」と評する。そしてボールを奪えば一目散にゴールを目指す。26分、カウンターからヨイッチが右サイドを駆け上がる。クノッヘは食い下がったが、追い付けない。ヨイッチのシュートは辛うじて左に外れた。
43分にはカウシッチがフリーで30メートルのミドルを放つ。テア・シュテーゲンが右手の先で触れて、ボールはバーを直撃する。ドイツ代表は1-1で前半を折り返したが、薄氷だった。
キッカー紙は「期待はずれ」と記した。大会に先立つオーストリアでの9日間の合宿で、フルベシュは自身のチームの「プレー速度の高さ」を褒め称えていたからだ。しかし蓋を開けてみると、初戦で「プレー速度の高さ」を見せたのはドイツ代表ではなく、セルビア代表だった。
セルビア代表の指揮官ドディッチは「最終的な結果には満足しているが、そのこと以上に我々がプレーしたスタイルに満足している。守備は固く、前線へと危険に迫った」と、優勝候補と引き分けた自分のチームを評した。
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