派手なブーイングも。視聴率ワースト3のコスタリカ戦
この代表週に1週間に渡って連日連夜、ピケのこのスピーチが話題にされたのには驚かされた。1週間というのは余りに長過ぎる。その間にあった国内の親善試合コスタリカ戦で、ピケが派手にブーイングされたことが間に挟まれたこともある。
代表ユニフォームを着てバスに乗り込み、代表のチームメートと練習し、試合でボールタッチするピケは、その間ずっとサポーターからの罵声を浴び、ブーイングされ続けた。
ピケ本人は、親善試合の後で「(代表に)何年もいるし、もう気にならない。仕事の一部だ」と落ち着いて話し、「(機会があれば)同じことを言うだろうし、とても楽しく過ごせた」と祝賀会を振り返っているが、ユーロ予選が今回アウェイ戦だったのは本当に幸いだったと思う。
一体、どういった代表サポーターが何のためにブーイングするのか。答えは簡単に推測できるだろう。代表も応援するレアル・マドリーのサポーターだ。
ジェラール・ピケは、2009年にデル・ボスケ監督によってA代表に召集されてから、6年間に渡って代表の不動の3番であり、守備の要となってきた。デル・ボスケ監督からの信頼も厚い。
デル・ボスケ監督は今回の出来事を遺憾に思っており、一部のメディアが煽ったのが原因だとコメントしたものだから、一部のマドリーメディアは、その発言に憤り、更にむきになってピケを取り扱い、まさに火に油を注ぐ結果となった。
このピケが激しいブーイングを浴びた親善試合のコスタリカ戦は、リーグなどのシーズンが終わり、人々がまだサッカーに飢えており、プライムタイムに民放で放映されたという好条件が揃ったにもかかわらず、92年以来放送された112試合の親善試合の中で、視聴率はワースト3という結果に終わった。
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