“世界で戦えるチーム”となるためのヒント
これは、まさに“引いた相手から点を取る術”であり、さすがイタリア王者のしたたかさと言えるものだ。
当然、この戦法を実現させるためにはエブラやキエッリーニのような状況判断能力とピルロのパス精度、モラタのトップスピード、そして監督も含めたチーム全体の落ち着きが不可であり、それは経験によってもたらされる。
だからといって「それは日本には無理」と片付けては“世界で戦えるチーム”にはなれない。少なくとも、W杯に出てくる南米、ヨーロッパのチームはこれが当たり前にできる。
シンガポール戦で日本が見せた前線に4人を張り付かせる攻撃は、猛攻をかける際の常套手段ではあるが、相手守備陣もそのまま最終ラインに残るため、ゴール前の“交通渋滞”を引き起こしやすい。
そうなったときにこそ、一度GKまでボールを戻して相手を釣り出す動きは効果を発揮する。
もちろん、攻撃が手詰まる要因は1つだけではなく、チームの成長・変化は明日できるものでもないが、解決策の1つとしてこのユベントスの攻撃は参考となるはずだ。
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