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日本代表 9年前

日本積年の課題“決定力不足”解消のヒントがここに。ユベントスに見る「引いた相手から点を取る術」

text by 海老沢純一 photo by Getty Images

完璧な展開でPKを獲得したユベントス

 まず、ハリルホジッチ監督が試合後の会見で発した1つの言葉がある。

「おそらくイタリア人なら、ずる賢いプレーで3回はPKをもらっていたと思う」

 この言葉を聞いて、思い浮かぶのはCLベスト8の1stレグ、ユベントス対モナコの一戦だ。ホームにモナコを迎えたユベントスは、戦前の予想では勝利が堅いとされていた。

 対するモナコは14-15シーズンのリーグ1においてリーグ最小の26失点と守備の固いチームとして結果を残してきた。

 この試合でもその堅守は健在で、前半45分を終えて支配率でユベントスの68.2%に対してモナコは31.8%と大きく下回りながらも、データサイト『Squawka.com』によるパフォーマンススコアでは守備の項目でユベントスの86点を上回る128点を記録。0-0で折り返すことに成功した。

 しかし、試合結果は1-0でユベントスの勝利。モナコのホームで行われた2ndレグでは0-0に終わり、ユベントスが勝ち抜け。準決勝ではレアル・マドリーを破り、決勝ではバルセロナに敗れたものの02-03シーズン以来の決勝進出を果たした。

日本積年の課題“決定力不足”解消のヒントがここに。ユベントスに見る「引いた相手から点を取る術」
注目したいのはモナコ戦56分のビダルが決めたPKのシーン【写真:Getty Images】

 注目したいのはモナコ戦56分のビダルが決めたPKのシーンだ。

 1トップのアンソニー・マーシャルを残して自陣に下がるモナコに対して、ユベントスは敵陣左サイドでボールを受けたエブラが一旦CBのキエッリーニに戻す。

 自陣でボールを受けたキエッリーニがGKブッフォンに大きくバックパスをすると、ワンタッチではたいたボールがボヌッチを経由してピルロへ。

 そして、自陣センターサークル付近でフリーの状態でボールを持ち、前を向いたピルロは一気に最前線へ浮き玉の縦パスを送る。

 この流れで前へと釣り出されたモナコ。その裏をついたモラタが最終ラインを抜け出してPA内に走り込むと、たまらずリカルド・カルバーリョがモラタを押し倒してPKをゲット。これをビダルがきっちり決めてユベントスは次のステージへの扉を開いた。

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