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再編迫られるマルセイユ。オーナー17歳息子がリヨン会長と“口喧嘩”も…一転好都合の理由とは?

text by 小川由紀子 photo by Getty Images

中盤のインビュラにはインテル移籍の可能性?

 その憤りを代弁してか、オーナーの息子、キリル・ルイ・ドレイフュスがSNS上で『よう、オラス! 十分な移籍金を払う資金もないくせに、モレルを獲っただけで満足しとけ!』とリヨン会長を“口撃”したのだが、17歳の小僧に好き放題言わせておくオラス会長ではない。

『きちんとした教育を受けているはずのお坊ちゃんが“オラス”と呼び捨てにするとは、またずいぶんですな。しかもよく知りもしないのにここまで痛烈に批判するとは…』とツイッターで即、お返し。

「クラブ会長はビジネスマンだ。しかしヒューマニストでもあるべきだと思う。選手としてより成長したいと望むのは当然であり、それを阻むのはどうだろうか…我々が興味を示している選手たちは皆、さらに飛躍するに十分な素質をもっている者ばかりだ。彼らにとってふさわしい場所でプレーすべきではないのか…」

 ライバルチームからの引き抜きに対する批判にも、このような弁明が“立て板に水”がごとくサラサラと出てくるのだから、メディアも思わず聞き入ってしまうのである。

 リヨンにとっての格好の切り札は、『チャンピオンズリーグ出場』。この魅惑的なエサに、エンクルーがかかる可能性は小さくない。

 そして、リーグ2のギャンガン時代にブレイクし、一昨季マルセイユへ昇格を果たした22才のMFインビュラの離脱も時間の問題と言われている。彼に熱視線を注いでいたのはバレンシアで、一時は交渉成立という情報も飛び交った。

 しかしバレンシアがベンフィカからレンタル中だったMFアンドレ・ゴメスと正式契約したことで、インビュラがあぶれることを見越したインテルも獲得戦線に参戦した模様だ。

 インビュラは、『ビエイラの再来』と言われるように、ビジョンに優れ、ボール奪取に加えて力強い攻撃展開力も備えた未完の大器。アンチェロッティ監督も、PSG監督時代にマルセイユからの引き抜きを画策したという逸話もあるように、ポテンシャルはお墨付きだ。

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