ハンドボール的な要素を感じたグアルディオラ監督時代のバルセロナ
──攻撃の狙いは非常にサッカーに似ていますね。
はい。特にかつてジェフ千葉や日本代表を率いていたオシム監督のサッカーは非常にハンドボールに似ているなと感じていました。全員攻撃・全員守備のなかで運動量と賢さが求められるのもハンドボールでは当たり前のことなので。
あと、サッカーのフォーメーションで4-3-3という配置があるじゃないですか? あれの4を取った“3-3”の部分はハンドボールの攻撃フォーメーションそのままですね。特にバルセロナの4-3-3は非常にハンドボールに似ています。
──確かにかつてバルセロナを率いていたグアルディオラ監督(現バイエルン・ミュンヘン監督)がバスケットやハンドボールなどを参考にしていたというのはよく耳にします。吉村さんから見てバルセロナのサッカーはハンドボールに似ていると思いますか?
サッカーという競技において非常にハンドボール的な攻撃をするチームだと思います。
かつてサッカーでは右サイドなら右利き、左サイドなら左利きの選手を配置するというのがスタンダードだったと感じるのですが、それを利き足とは逆のサイドに配置するようになったのは当時のバルセロナだったと記憶しています。
それはまさにハンドボールそのもので、両サイドに開いた選手が中に切り込んでシュートまで持っていくというところはハンドボールからヒントを得たのではないかと思っています。
あと、前のフォーメーション(3-3の部分)がハンドボール的なので必然とゴールに迫るパスやリズムもハンドボールと似ていますね。
──ゴールに迫るリズムというと具体的にはどういったことでしょうか?
サッカーを見ていて「今の攻撃はきれいだったなぁ」とか「上手く崩したなぁ」と感じるプレーがありますよね? 実はそう言われるときの攻撃のテンポがハンドボールとサッカーは非常に似ているんです。