「ここまでは特に年齢を感じることはない」
その全てを現段階で出し切るのは不可能かもしれないが、強い意志を持ってトライし続けなければ、ロシアでの成功はありえない。
仮に日本が順調にロシア行きの切符を手にできたとしても、3年後に34歳になる長谷部がその舞台に立てる保証はない。
実際、11日のイラク戦(横浜)でスーパーな働きを見せた柴崎岳(鹿島)も存在感を一気に強めており、ブラジルで3試合全てのピッチに立った山口蛍(C大阪)も控えるなど、若いボランチ陣も育っているからだ。この競争を彼は前向きに捉えつつ、未来へと突き進んでいくつもりだ。
「今、チームの中でもいい競争が出てきていると思いますし、そういう競争の中でしっかりと戦っていきたい。3年後には34歳になりますけど、サッカー選手は間違いなく寿命が延びている。
同い年にラーム、ロッベン、リベリ(いずれもバイエルン)、ヤヤ・トゥーレ(マンチェスター・シティ)もいますし、そのあたりがトップで活躍しているので、刺激を受けてます。ここまでは特に年齢を感じることはないですし、逆に経験という部分で言えば、今はキャリアの中でかなりいい時かなと思います」と彼はトップを走り続ける強い自信をのぞかせた。
今季フランクフルトでのコンスタントな活躍が、長谷部の財産になっている部分は大きいようだ。
いずれにせよ、発足したばかりのハリルホジッチ監督率いる新生・日本代表には、長谷部以上の確固たるリーダーシップを持った選手はまだいない。
本人は「どういうキャプテンがいいのか、まだ手探り状態」と遠慮がちにコメントしていたが、彼がピッチにいるだけで世代交代途上のチームに安心感がもたらされるのは確か。そんな日本がロシアへの確かな一歩を踏み出すためにも、長谷部のリーダーシップは不可欠なものとなる。
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