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日本代表 9年前

本田とサイド形成する宇佐美「憧れてばかりいられない」。対等な存在へ、自らも“武器”となる

text by 元川悦子 photo by Getty Images

「左が武器になっていけば右が楽になる」

 イラク戦で待望の代表初先発を飾った宇佐美貴史(G大阪)は主力組の左FWに陣取っており、2試合連続スタメン出場が確実視される。前回は右に本田圭佑(ミラン)、中央に香川、前線に岡崎慎司(マインツ)と組み、準備期間が少ないにもかかわらず、お互いのよさを出し合う形を頻繁に作った。

「初めてスタートから組む選手が多い中、プレーの波長は合わそうとしなくても合う部分はあるなと感じました。局面局面ですごくいいコンビネーション、いい動きが出たと思いますし、すごく手ごたえを感じてます。

 真司君は左でもできますし、僕も真ん中はできますし、圭佑君も真ん中も左もできるので、基本的にはポジションは決まっていますけど、戻りきれない時にそのまま流動的にやることも間違いなくできる。僕も含めてそういう器用にできる選手が多いんで、そういうメリットはあると思いますね」と宇佐美は1試合で大きな前進を実感したという。

 その経験を糧に、シンガポール戦ではより大きな脅威を相手に与えなければならない。ハリルホジッチ監督もこの日のトレーニングで、クサビを有効に使いながらサイドを裏に飛び出させる意識付けを徹底。

 宇佐美や本田には、中に入りながらサイドバックの長友佑都(インテル)や酒井宏樹(ハノーファー)を飛び出させたり、自ら強引に打開するといった、臨機応変な動きが必要になる。

「圭佑君がどう思っているか分からないですけど、僕としてはすごく感慨深いものがあります。一緒にプレーする中でいろいろなものを吸収させてもらいながらやりたいですし。

 攻撃が右から単調になるばっかりではいけないし、左が武器になっていけば右が楽になるわけで、憧れてばかりというか、尊敬してばかりはいられないですね」と彼は本田に匹敵するサイドでの存在感を追求していく構えだ。

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