柿谷の復帰は? 簡単ではない今後の戦い
営業収益の2本柱となる広告料収入と入場料収入が、J2では大きく目減りする。特に後者に関しては昨シーズン以上に減少すると覚悟しているためか。セレッソはスタジアムの使用比率を再び反転させ、ホームで行う21試合のうち金鳥スタジアムが15試合を占めるに至っている。
一方で主力選手の草刈り場となる事態は南野とFW杉本健勇だけにとどめ、日本代表経験のあるFW玉田圭司、FW田代有三、DF茂庭照幸、MF橋本英郎、MF関口訓充といったベテラン・中堅勢を補強。ブラジルからパウロ・アウトゥオリ監督を招聘し、そこに半年契約のフォルランが加わったチーム人件費は、必然的に経営を逼迫していたはずだ。
つまり、フォルランの退団は昨シーズンの投資失敗が依然としてチーム経営に影を落としている証となる。こうした状況を鑑みれば、巷間伝えられる柿谷の復帰も難しいと言わざるを得ないだろう。
第17節を終えた段階で、セレッソは7勝5分け5敗の勝ち点26で9位に甘んじている。自動昇格圏内の2位・ジュビロ磐田との勝ち点差は7だが、チーム総得点の3分の1以上を叩き出しているフォルランが抜けた穴が、これからの戦いに及ぼす影響は決して小さくない。
今シーズンの始動時から掲げてきた「1年でのJ1復帰」を成就できなかった場合、投資に対するネガティブなイメージがJリーグのなかでさらに伝播していく事態も考えられる。Jクラブの経営陣は、いろいろな意味でセレッソの今後を注視しているはずだ。
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