宇佐美が語る自らの役割とは

　ハリルホジッチ監督はここまでの練習で縦のクサビをリターンし、受け手がさらに縦パスを通すといった練習を繰り返しており、そうした縦志向の攻撃がこうした得点に結び付いていることは間違いない。ただ、それだけでは3点目の様なシーンが生まれない。試合後、宇佐美にこんな質問をしてみた。

――練習では縦志向のパターン練習を繰り返していたが、チームのやり方がありながら宇佐美選手なりのアイディアを織り交ぜていた？

「もちろんですね。それに尽きるというか、チームのやり方がこういう時はこうとか決まっているにせよ、その同じやり方をやっていれば個性のないサッカーになってしまうと思います。自分の癖とかもそうですし、アイディアもそう。こういう時にこうしたいという希望も含めて、出していくことで自分が出た時は違うサッカーになるとかっていう風になれば理想です。

　もちろん決められたプレーはしないといけないにせよ、自分のアイディアを前面に押し出していかないと、らしさも出ないですし、自分らしさをチームに落とし込むこともできないので強く意識していることです」

　ガンバ大阪では主に2トップの一角としてゴールに直結する仕事を任されるが、日本代表では攻撃のスイッチを入れる役割を担っている。特にビルドアップから仕掛ける場面で宇佐美の特徴が良く出ていた。

「後ろと前のつなぎ役、もちろんボランチとトップ下もいますけど、そういうところに貢献していくのも自分の役割だと思いますし、そこからスタートして入れたパスの後に自分も前に入っていくプレーは得意ではあるので、その部分を楽しみながら、感じながらやりたい」