それなりの完成度があったドイツ代表だが…
6分、右サイドを上がったヘアマンは、ファーを走るゲッツェに長いボールを送る。ゲッツェの折り返しをエジルがシュートを放つ。試合が始まって間もなくチャンスを演出したヘアマンは、12分には先制点をアシストする。右サイドからエリア内にドリブルで切り込むと、ゲッツェにラストパス。ゲッツェは持ち前の技術でゴール右隅へ正確に蹴った。1-0。
ダブルボランチのシュバインシュタイガーとギュンドアンは、少し連携が噛み合わないところもあったが、良好な関係を築いていた。どちらが上がってどちらが残るか、適切な判断を下して適度な距離を保つ。
ドルトムントで見せるように、ギュンドアンは司令塔としてボールを回した。シュールレ、ゲッツェ、エジルはポジションチェンジを繰り返して、アメリカのゴールに迫る。シュバインシュタイガーが「我々はほんの2日前にトレーニングを再開した」と言う即席のドイツ代表は、それなりの完成度を見せた。
しかしDFラインが示すように急造であることには変わりなく、41分にドイツ代表は、ほころびを見せてしまう。内側に絞りすぎた右SBルディの背後をディスクアードに突かれて、同点ゴールを許す。1-1。
そしてテストマッチで多くの代表チームがそうするように、後半は控えの選手達が順を追って投入されることとなった。46分にケディラとポドルスキ、60分にクラマー、73分にはクルーゼとベララビと、およそ15分毎に選手が入れ替わった。次第にドイツ代表はバランスを崩して連携を欠いてしまう。対照的にアメリカは勢いを獲得する。
82分にはカウンターから右サイドをイェドリンが駆け上がり、ブラッドリーに折り返す。ブラッドリーはフリーでシュートを打つ。辛うじてツィーラーが弾く。そして87分、ドイツ代表は逆転を許す。アメリカ代表はアウェイでドイツ代表を下した。