「日本のサッカーがより攻撃的に進化している」
彼らが築いた風通しのいい環境は、若手にとって居心地のいいものになっている。
柴崎は先制点のアシストについて「(圭佑さんの)動き出しがよかったですし、相手がアバウトな部分もあったので、スペースは狙いやすかったですし、非常にアグレッシブに前線の選手が飛び出していってくれたので、パスは出しやすかったと思います」と本田に最大限の敬意を払いつつも、「思い切って前へ出ろ」というメッセージをパスに強く込めていた。
この日代表初先発だった宇佐美貴史(G大阪)にしても、ハリルホジッチ監督に「今日の宇佐美のメンタルを見ただろうか。『「もっと行けよ、行けよ」』と香川(真司=ドルトムント)や本田にも要求していた。岡崎(慎司=マインツ)は勝手に行っていたが(笑)」と言わしめるほど、年齢に関係なく仲間に強気の姿勢でのぞんでいた。
こうして92年生まれのプラチナ世代が堂々と自分を出し、凄まじい勢いで追いかけてくるのを感じつつ、本田は自らの真価のスピードを上げていくつもりだ。
「先制点はたまたま入ったからよかったですけど、それより追加点を決めれそうなところを外したりしてる。あとはボール引き出せてない部分もあったんで、そういうところの方が自分はフォーカスしていきたいですね。
チームとしても、イラク相手に4-0くらいで勝ったっていうのは記憶ではない。そういうところは日本のサッカーがより攻撃的に進化してる1つの表れですし、次のシンガポール戦(16日=埼玉)もそういうものを求められている。
対戦相手が同格以下という評価であれば、やはり数字も求められてくるのかなというのは感じてます」と、彼はシンガポール戦で4点以上を狙うという。
次の1点は本田の代表通算30得点目。その記念すべき節目をアッサリ飛び越えるくらいのゴール量産で、背番号4にはACミランの10番としての意地とプライドを示すことが期待される。
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