まだまだの堅守速攻セット
ブラジルW杯でアルジェリアを率いたハリルホジッチ監督は、2種類のチームを用意したといっていい。初戦のベルギー戦と最後のドイツ戦における守備重視のチームと、韓国戦、ロシア戦の攻撃型のチームだ。守備型→攻撃型、攻撃型→守備型とそれぞれ先発を5人入れ替えていた。
日本の立ち位置もアルジェリアに近い。つまり、必ず格上の強豪と対戦しなければならないが、点をとって勝たなければならない試合もある。同じメンバーでどちらにも対応できれば理想的だが、それはかなり難しい。
イラク戦での守備型セットは1トップに大迫、2列目に俊足の永井、原口、武藤。2ボランチには守備力のある山口と谷口だった。
こちらはまだまだ時間がかかりそうだ。単純なパスミスも散見され、イラクが前に出てきてスペースが十分あるわりには有効な攻め込みは少なかった。相手のミスをついて原口が1点を追加したものの、イラクの攻撃力があまりなかったこともあって肝心の守備力の評価はできない。こちらのセットを試すなら、もっと力のある相手とマッチメークしなければあまり意味がない。
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