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日本代表 9年前

「背番号11=宇佐美」代表初先発有力。カズを超越する存在へ、新たな伝説の第一歩

text by 元川悦子 photo by Getty Images

新たな背番号11へ。カズを超越する存在となるか

「背番号11=宇佐美」代表初先発有力。カズを超越する存在へ、新たな伝説の第一歩
宇佐美貴史【写真:Getty Images】

 確かに前日練習最後のシュート練習でも、彼の決定率は誰よりも高かった。宇佐美をフィニッシャーとして積極活用することが、日本代表の長年の課題である得点力不足解消には最も有効な道と言っていい。

 宇佐美が左に陣取る場合、長友とのタテ関係も非常に興味深い。ザックジャパン時代は長友と香川の左が「日本の生命線」と言われ、対戦相手にも特別に警戒されることになったが、長友と宇佐美が組めばより破壊力は増すだろう。そこはハリルホジッチ監督も楽しみにしているはずだ。

「お互いに生かし合うことができればいいですね。自分のパスで佑都君の推進力を生かせればいいですし、逆に佑都君の推進力を生かして囮に使うこともできるでしょうし。間違いなく消し合うことはないと思います」
 
「(長友・香川以上の破壊力になる?)それを出せればいいと思います」と本人も期待を込めてこう言った。

 こうした経験豊富な面々に囲まれ、頭抜けたゴールセンスを遺憾なく発揮できるようになれば、宇佐美は背番号11のレジェンドであるカズ(三浦知良=横浜FC)を超越する大物ストライカーに飛躍するかもしれない。

 カズ以降は鈴木隆行(千葉)や巻誠一郎(熊本)、玉田圭司(C大阪)、柿谷曜一朗(バーセル)ら有能なFWがこの番号を引き継いではきたものの、日本の看板的な存在感を示したとは言い切れない部分がある。

 宇佐美は「10番や9番、圭佑君の4番とかそういうところにはすごく意味があると思いますけど、それ以外の番号はただ背中につけるだけ。特に意味はないと思う」とアッサリと言ってのけたが、その発言もいかにも怪物らしい。そのスケール感をイラク戦のピッチで最大限見せつけることが11番を特別な番号とする第一歩となる。

【了】

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