過去の序列を覆すのは?
今回のメンバー構成を見ると大きくは2大会を通して主力だった選手、メンバーには入っていたが出場機会の少なかった選手、招集経験はあるが大会メンバーからは漏れた選手、ハリルホジッチ監督になって初めて招集された選手の4つに分けられる。ブラジルW杯の主力でありながらアギーレ時代はケガで代表から外れていた山口蛍は例外的だが、従来の序列の名残がある状態だ。
例えば所属クラブのスタンダールでシーズンのほとんど出番が無かった川島永嗣が「状態を見たかった」という理由で選ばれたのも、長く代表の主力として貢献してきた経験によるものでもある。ハリルホジッチ監督はフラットな競争を強調するが、やはり代表の常連選手は就任前から認識しているし、過去の映像でもチェックできた分、一日の長はあるのだ。
彼らも引き続き主力になれる資質を改めて証明するチャンスがあるわけだが、同時に残りの選手にも序列を覆すチャンスがある。今回のイラク戦は1つの分岐点となりうる。前日の公式練習では別メニューの川又堅碁と清武弘嗣をのぞく22人のフィールドプレーヤーとGK4人のうち川島永嗣と西川周作が参加してハーフコートの紅白戦が行われた。そこでは以下の様にチーム分けがされた。
【ビブス無し】
GK:川島
DF:酒井宏、吉田、槙野、長友
MF:長谷部、柴崎、本田、香川、宇佐美
FW:岡崎
【ビブス有り】
GK:西川
DF:酒井高、丹羽、森重、太田
MF:谷口、山口、永井、原口、武藤
FW:大迫
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