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Jリーグ 9年前

FC岐阜、低迷の根幹に迫る。クラブの正しいあり方とは?

text by ミカミカンタ photo by Getty Images

監督、知事、オーナーで会食

(ラモス監督)「守って守ってくだらないサッカーやるなら僕は監督をやらないよ。どうしますか? 3年間くれませんかと。なんで赤字になったのかはフロントの問題でしょうね。(自分が監督に就任した去年は)あんなにお客さんが増えたし、川口(能活)選手も高地(系治)選手も難波(宏明)選手も来てくれたし。

 そこでちょっとお金を使わなきゃいけなかったんですよね。今年は欲しかった選手が……あんまり言いたくないけど……『うーん、ラモスさんもうちょっと待ってください』というのも何人かいましたけどね」

 ラモス監督の日本語には微妙な部分があるので、文意を変えないように注意を払いつつ言葉を整え、意味がわかりにくい部分を最小限補って文字にすると上記のようになる(会見の全文ではなく抜粋である)。

 さて、私はクラブ内の役職における権限と責任の範囲というものを考えているのだ。FC岐阜の場合、クラブの個人オーナーとしてJトラスト社長の藤澤信義氏がいる。そして藤澤氏から信任を受けてクラブ経営者となった恩田聖敬(さとし)社長がいる。他に岐阜県と県内の全市町村および地元を中心とした企業が株主として存在する。

 ラモス監督の口から「知事」という言葉が出てきたのは岐阜県の古田肇県知事のことで、藤澤氏がクラブの筆頭株主になる前は県と岐阜市が同率の筆頭株主だったため、クラブ再建に関しても古田知事が大きく関わっている。

 最近のことだが、ラモス監督は古田知事と一緒にオーナーである藤澤氏と会い、食事を共にしている。その場でどんな話し合いが行われたのかまではわからないが、FC岐阜の監督にラモス氏を選んだのは藤澤氏である。だが藤澤氏はラモス氏に何か義理があるというわけではない。

 クラブオーナーになるまではサッカーに興味のなかった藤澤氏だが、ビジネスの場で先方(海外企業のトップなど)の誘いに応じてこれまで何度か海外ビッグクラブの試合に足を運んだりしたことはある。そこで見聞きした経験と、実業の場における自らの厳しい経営者の視点から「勝負の世界は結果がすべて」と言い切る人物だ。

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