サポーターの愛着もより強く
ユースを卒業したばかりの若い選手でも落ち着いて、年上の選手たちと遜色なくプレーできる秘訣は、やはり吉田監督の哲学にあるようだ。
柏は「ボールとスペースを支配し、攻撃的に自分たちが主導権を握るサッカー」を哲学として掲げている。
これは小学生からトップチームまですべてのカテゴリに徹底されており、どのチームでもほぼ同じトレーニングが日々行われている。
大谷は「小学生からトップまで似たようなトレーニングをしている、そういう一貫しているというのはなかなか日本のチームにはないこと。下部組織からトップまでが同じ場所でトレーニングをしているのは素晴らしいことだと思うし、そういう部分も変わらず大事にしたい」と、クラブの取り組みを称賛している。
柏がこれまでに築き上げてきた育成からトップチームまでのブレない柱は「数年というのではなく、長い年月をかけて大事に育ててきたもの」(大谷)で、簡単に消滅することはない。
サポーターも下部組織出身の選手たちには大きな期待を寄せている。年間パスを買って長年チームを応援し続けているファンは「アカデミーの頃からその成長を追いかけている人もいるし、自分たちの息子のように可愛い存在」と、“宝物”の躍動に胸を張る。
アジアの頂点、そして世界へ羽ばたくことを夢見る柏が見据える先は明るい未来だ。大谷は「若い選手がここまで絡んできてくれるのは、チーム力を上げるためにも、将来のためにも素晴らしいこと。トップの選手達が結果を出すことが何よりも一番大事。一番上がより強くなっていけば、下から活躍する選手がもっと増える」と将来のビジョンと決意を語る。
“柏から世界へ”は生え抜きの選手たちとともに。太陽王は日立台を黄色で埋め尽くすサポーターと一体になり、光り輝く未来へと突き進む。
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