「ドリブルとか走力で勝負。1日1日気を抜けない立場」
ゲームは5分強、6分強、4分弱という変則的な方式で行われ、清武や吉田、長谷部、香川、大迫、原口がゴール。最終スコアは5-4で緑ビブス側の勝利に終わった。
この中でゴール前の際立った迫力を見せたのが清武。今季最終節・フライブルク戦の泥臭いヘッドは彼のゴールへの嗅覚を覚醒させたのかもしれない。大迫もいい飛び出しから再三、得点に絡んでいたし、原口もアグレッシブさを前面に押し出した。彼らロンドン五輪世代がチームに新たな活力を与えたのは、今後のプラス材料と言っていい。
とはいえ、原口にしてみれば、サイドアタッカーのポジションは本田、宇佐美貴史(G大阪)、武藤嘉紀(FC東京)としのぎを削る激戦区。アルベルト・ザッケローニ監督時代のように好不調の波を見せていたら、定位置獲得どころか、代表定着も危うくなる。その生存競争の厳しさを本人もよく理解しているようだ。
「(自身に求められていることは?) どこで違いを作るかでしょうね。(同じポジションの)どの選手も得点力があって、技術が高いので、僕は攻守に走って、突破にかかった時のドリブルとか走力で勝負していきたいと思います。代表でよくてもチームで出れないと呼ばれなくなってしまう。1日1日気を抜けない立場だと思います」と原口自身も強い危機感をにじませる。
それでも6対6+GKを見ていても、今の彼はドリブル突破だけの選手では決してない。前から献身的にボールを追い、時にはスライディングタックルで相手からボールを奪おうとする。球際も寄せも激しく、ハリルホジッチ監督が大きな期待を寄せるのも当然と言える目覚ましい成長ぶりを印象づけた。