守備大国イタリア王者を上回るバルサの守備力
攻撃のスペインと守備のイタリア。一般的にそういったイメージを持たれている両国の盟主であるバルセロナとユベントスの対戦となった今季のチャンピオンズリーグ決勝。
スコアは3-1。得点を決めたのは、バルサのラキティッチ、スアレス、ネイマール、ユベントスはモラタ。そして、ラキティッチのゴールをアシストしたのはイニエスタ、スアレスはメッシ、ネイマールはペドロ、モラタはテベス。
両チームともに主役となるべき選手が得点に絡む見応えのある展開となり、拮抗した時間帯も多い好ゲームだった。
そして、勝敗を分けたのは「守備力」の差だった。上記のように、バルサ=攻撃、ユーベ=守備という位置付けであり、この決勝も最強の攻撃対最強の守備という構図が予想されていた。
最終的にバルサは3点を奪ったが、攻撃面以上にユーベを圧倒していたのが守備だった。
今季のCLを通して、バルセロナの失点は11。前回優勝の10-11シーズンは9失点と今季以上の成績だが、ペップ・グアルディオラ監督に率いられた当時は大会通算の支配率が68%を記録するなど、圧倒的な支配力で相手を押し込み、守備をする時間すらない印象だった。
しかし、今季は大会を通して59%。この決勝でも57%とユベントスを上回ったものの、圧倒的に支配したわけではない。実際、ショート数はユーベが14本でバルサが17本、チャンスメイク数は両者ともに10回とユーベがバルサゴールに迫るシーンも少なくはなかった。
それでも、バルサは自陣アタッキングサードで24回もボールをクリアし、データサイト『Squawka.com』のパフォーマンススコアで守備が58点を記録。キエッリーニが不在だったユーベは-147点と本来の守備力を発揮することはできなかった。
ユーベのクリア14回に対して24回ものクリアを記録すれば、カウンターのチャンスは格段に増加する。ある意味では、“普通に強い守備”を手に入れたバルサだが、今季の強さはこの守備力にあるのではないだろうか。