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日本代表 9年前

川島永嗣のぶれない哲学。欧州での不遇も、ハリルJでの新たな挑戦。“ジャンプ”するための未来予想図とは?

text by 藤江直人 photo by Getty Images

目指したいCLの舞台。日本人GKの未来のために

 指揮官の檄が込められた言葉をしかし、川島は「それが当たり前のことだと思う」とポジティブに、そしてある種の覚悟をもって受け止めている。

「厳しい言葉をかけてもらったことは、自分にとってある意味で刺激になる。試合に出ていないことに関しては、言い訳ができない事実だし、状況は監督にすべて報告している。ただ、若いときになかった自分の経験というものは、こういう時間を過ごすなかでも生きてくると思う。

 いくら口で言っても行動で示さなければ意味がないので、そこは自分がしっかり見せていくしかない。ピッチの上で何をするかは自分のなかで積み重ねられているものだし、試合に出ていないからといって、すぐに消えるものではない。自信はありますけど、監督が考えているレベルに達することができなければ、(代表に)残っていけないことは自分でもわかっている」

 川島のサッカー人生を「ホップ、ステップ、ジャンプ」にたとえれば、雌伏の時期となったアルディージャからグランパスまでの6年間が「ホップ」、フロンターレを経てベルギーの地でプレーした8年半が「ステップ」となるのではないだろうか。

「いずれはトップリーグでプレーしたい。自分がいい形で成功することが、日本人GKの未来にもつながっていく」

 ベルギーへ旅立った5年前にこう語っていた川島の設計図には、まだ見ぬチャンピオンズリーグ(CL)の舞台でプレーする自身の姿を含めた「ジャンプ」が描かれているはずだ。

「一昨年、去年とヨーロッパリーグでプレーしているので、その意味では自分のなかでそこ(CL)を見据えている部分はある。CLに関しては日本人のフィールドプレーヤーも出場しているので、GKとしても目指したい思いはあります。

 ベルギーに5年間いたということは、自分が学ぶべきことがあったということ。そのなかで最大限の努力を積むことが自分の人生だし、まだまだ自分のなかで思い描いているものがあるので、もう一度ここからつかみ取っていきたい」

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