不動の地位だった代表GK。予期せぬ事態
ここまで実戦から遠ざかったのは、3シーズンで17試合の出場に甘んじたグランパス時代以来となる。ただ、20代前半だった当時とは状況が違うと川島は力を込める。
「グランパスのときは将来海外に出るために、そして日本代表でプレーするために、試合に出ていなくても積み重ねていけなければいけない部分があると思っていたし、それがどのような形になるのか、どちらかと言えば先が見えなかったことのほうが多かった。いまは同じような状況でも自分が挑戦すべきことがはっきりしているし、その意味では僕のなかでぶれるところはありません」
3月に就任した日本代表のヴァイッド・ハリルホジッチ監督がヨーロッパ組という肩書のみに満足せず、試合へ常時出場しているか否かを重視したことも、2010年から不動の地位を築いてきた川島にとっては、ある意味では予期せぬ事態だと言っていい。
実際、指揮官と初対面を果たした3月下旬の大分合宿で、川島はこんな言葉をかけられている。
「試合に出ていないと、代表には呼ばないぞ」
イラク代表との国際親善試合、シンガポール代表とのW杯アジア2次予選へ向けた代表メンバー発表会見でも、ハリルホジッチ監督は川島についてこう言及している。
「川島は少し難しい状態にある。Bチームでプレーしたとは聞いたが、ほとんど試合に出ていない。状態を確認するために来てもらった。信頼しているので、彼にはもっとやってもらいたい」
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