「すごいですよ、ホントに。こんなの初めてですよ」
「今日は僕は(先行組の方に)入ってないんですけど、監督といろいろと話したりして、もう1回、日本を本気で強くしたいっていう気持ちがすごい伝わってきた。
W杯で負けてしまって1人1人だったり、日本全体が自信を失ってる状況があって、もう一度自信を取り戻すために戦っていきたいと。そのためにも1人1人の力が必要だから、とにかく経験のある選手がピッチ内外で引っ張れるようにと。そういう姿勢を見せてほしいという話がありましたね。
練習前の説明で持っていた紙は、みんなどれくらいのフィジカルコンディションかっていうテータ。すごく細かいデータをいっぱい取ってるんで、すごいですよ、ホントに。こんなの初めてですよ。1人1人の練習データを見せられたのは」と長友は笑顔を見せつつ、ハリルホジッチ流の細部にわたるアプローチに感心していた。
自身の1つの集大成と位置づけていた2014年ブラジルW杯で、いいところを全く出せないまま惨敗した後、長友はさらなる苦悩の日々を強いられた。所属のインテルでは今季序盤、若いドドに左サイドの定位置を奪われる格好となり、慣れない右サイドで起用されることも少なくなかった。
11月にワルテル・マッツァーリ監督が解任され、ロベルト・マンチーニ監督が就任すると、ケガの影響などもあって出場機会が減少。
こうした停滞感を打ち破るべく、意を決して1月のアジアカップ(オーストラリア)に参戦したが、彼は準々決勝・UAE戦(シドニー)の前日会見でロシア大会に向けてのテーマを問われて無言になってしまうほど、メンタル的に追いつめられていた。
結局、日本は8強止まりに終わり、この大会で痛めた右太もも負傷をイタリアに戻って再発させてしまう。復帰が5月10日のラツィオ戦にまでずれ込むなど、彼自身にとっても予想外だったに違いない。