監督キャリアをマドリーユースでスタート
昨季、レアル・マドリーが(そして、フロレンティーノ・ペレス会長が)夢にまでみたデシマ―10回目の欧州杯優勝―、チャンピオンズリーグ制覇を果たしたが、その翌シーズン、レアルは無冠に終わり、昨季の英雄カルロ・アンチェロッティは、ペレス会長にクビを通告された9人目の監督となった。
そして、ペレス会長が選んだ10人目のレアル・マドリー監督は、ナポリを率いていたラファ・ベニテスだ。2005-06年のロペス・カロ以来、実に10年ぶりにスペイン人監督がレアル・マドリーを率いることになる。
もともと、マドリードが出身地のベニテスは、小さい頃はレアル・マドリーのユースでプレーしていたが、監督としてのキャリアを歩み始めて開花したタイプだ。監督としてのキャリアも、マドリーユースでスタートするなど、もともと、レアル・マドリーとの縁は深い監督だ。
そのベニテスが最初に監督としての手腕が評価され始めたのは、バレンシアのトップチームを率いてからだった。当時から、ベニテスの夢はレアル・マドリーのトップチームを率いることであり、過去にも候補として何度か名前があがったことがある。
だが、日本語でも故郷に錦を飾るという言い回しがあるように、実は故郷で成功を収めるというのは時に容易ではない。
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