ヴァイッド・ハリルホジッチ監督【写真:Getty Images】
高まる緊張感の中、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督の“演説”は始まった。
自身の体制下での初陣となった3月の親善試合2連戦同様にスクリーンを使ってメンバーを発表するスタイルをとったハリルホジッチ監督。メンバー発表に先立ってこの約2ヶ月間の活動を説明した。
まず、指揮官は自らにとって初となるW杯アジア予選について「ハイレベルな戦いが始まる」と気を引き締めて臨む意思を語った。その上で「大きな問題もある」とした。
その“問題”は「各国リーグ戦が終わる時期が同じではない」と説明。多くの選手が海外移籍を果たした現在では、海外組だけでもドイツを筆頭にイタリア、イングランド、ベルギーと複数国にまたがっている。
それに加えて、Jリーグは現在もシーズン真っ只中。今回の合宿は「1~4グループに分かれて選手が合流する」と段階的に選手を集めることを明かした。
そして、その選手リストを作成するためにハリルホジッチ監督を含む代表スタッフはJ1、2、3の116試合を現地で視察するなど、計520試合をチェック。さらに連日話し合いを行い、2~4時間に及ぶ会議を計12回開催したという。
しかし、それでもまだ「選考」は終わっていなかった。
その後に発表された選手の総数は25人。通常、国際試合では23選手が登録可能となるため、2選手がオーバーとなる。そのため、「ここから23選手にする」と、さらなる絞り込みを明言。
さらに、シュトゥットガルトで出場機会を減らしているDF酒井高徳に関して「彼以上に良い選手がいなかった。もし明日、良い選手が見つかればすぐに呼ぶ」と、あくまで“消去法”だったことを強調した。
そして、最後に「代表チームは誰にも保証されていない。全ての選手にチャンスがあることを知ってほしい」とメッセージを送った。
惨敗に終わったブラジルW杯から1年。2018年ロシアW杯に向けたサバイバルは本格的なスタートを切った。
【了】