犠牲者を出し続けるカタール・ワールドカップ【写真:Getty Images】
国際サッカー連盟(FIFA)幹部の汚職事件によって開催地変更の危機に立たされているカタール・ワールドカップ(W杯)。しかし、問題は賄賂だけには留まらない。30日、米紙『ワシントン・ポスト』は驚くべきデータを報じている。
同紙によれば、カタールはW杯史上最悪の労働環境に陥っているとされている。人権保護団体は大会ホストによるインフラ整備のために、出稼ぎ労働者の死亡事故が相次いでいると指摘した。
カタールでは2012年から2013年に実に964人の出稼ぎ労働者が死亡したと伝えられている。ネパール、インド、バングラディシュから来た労働者たちだ。そして、このペースで死亡者が出続けた場合、W杯開催の2022年までには犠牲者が4000人を超える見込みだという。
この数字がいかに異常なものであるかは過去の国際スポーツ大会と比較すれば明白だ。2008年北京オリンピック以降の犠牲者の数は以下。
2008年 北京オリンピック:6人
2010年 南アフリカW杯:2人
2010年 バンクーバーオリンピック:1人
2012年 ロンドンオリンピック:1人
2014年 ブラジルW杯:10人
2014年 ソチオリンピック:60人
汚職問題、冬季開催、労働者酷使…カタール開催への問題は山積みだ。果たして2022年に選手たちは無事プレーすることはできるのだろうか。
【了】